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  • 執筆者の写真竹内 明仁

「これからの組織開発の考え方」

「組織開発」と言うと、何か難しい課題に聞こえるかもしれませんが、人間が持っている本質や特徴をシンプルに捉えれば、決して難しいことではないと考えています。


但し、人間には感情がありますから、この感情がどの方向に行くかで難題になってしまいます。

その感情が微妙に絡み合う一般的な出来事を挙げてみます。              

・人は自分が決めたことでないと行動に移さない。

(自分で考え答えを出せるような、自主的に決定できる権限を与える)


・人は相手から命令されることを嫌う。

(指示命令型の縦割りではなく、フラットに話せる対話型の組織を目指す)


・人は目的や目標がないと効果的に行動できない。

(ミッションとビジョンを明確にし、各仕事の到達したい目標や手に入れたい結果を共有す

 る)                                      


・人は相手の話を聞くより自分の話を聴いてほしい。

(自分が話すより相手の話を傾聴する機会を増やす)


・人は自分が話したことは相手に伝わっていると思っている。

(「伝える」と「伝わる」の違いを認識して、伝わっているかどうか何回でも確認する)


・人は自分と同じ考え方や価値観を持っていない人を遠ざける。

(人は皆違うから面白いと多様性を認める)


・人は自分が否定されるとモチベーションが下がる。

(人の短所を列挙するのでなく、長所を言葉に出して認める、または結果を褒める)


・人は無関心が最もキツイ。

(相手に対する関心を示し、能動的なコミュニケーションを図る)


・人は人間関係が上手くいかないと生産性が低下する。

(チームとして機能するためには、半径3メートル以内の人間関係改善が先)


・人は自分の考えや経験上の思い込みが強い。

(考えや価値観の違いをオープンに話せる場を設ける)


・人は変わりたがらない=変化することに抵抗する

(変化の必要性や目的・得られる結果などについて対話できる機会を増やす)


勿論、上記に該当しない人たちも沢山いますし、もっと他にもいろいろな出来事があるでしょう。

ただ、効果的な組織にしようと考えた場合、上記の例で言えば、反対のこと(   )内のことを継続的に実践すれば、組織が変わる可能性は格段に高くなると思います。


「そんなこと分かり切っているよ」という声と「そんなに簡単にできれば誰も苦労しないよ

」という声が同時に聞こえて来そうですね。

そうです。上記の例は全て当たり前のことであって、目新しいことではありません。


では、なぜできないのでしょうか?


私の結論はふたつ。「面倒くさいから」と「中・長期的視点で見ないから」です。

「面倒くさい」と思うのは、そこまでやる必要性や意義を感じない、それをやることでどんな成果が得られるのか考えない、組織としてどう在りたいかのビジョンや目標がないからだと判断しています。

作業を仕事に昇華するためには、目的・目標がないとできないのと同じです。


もうひとつ、「中・長期的視点で見ない」というのは、人の感情が絡んでいる課題は成果が出るのに時間がかかることを覚悟していないからではないでしょうか。

生まれや生い立ち、育った環境や経験が異なる人たちが集まれば、考え方や価値観が違って当然だと思いませんか。                              それを、指示命令という権威に服従するのが当たり前の旧時代的風潮が、未だまかり通ると思っているところに致命的な欠陥を見出せます。

このような形態の企業は、いずれは淘汰されてしまう時代に既に突入しています。


また、違った考えや価値観があることはそれだけ多様な視点を引き出せることにもなり、新しい製品(商品)・サービスの開拓、別の視点からの組織改革や業務改善、人財の採用などに至るまで、幅広く活かせるメリットがあると考えることもできます。

同じような考え・価値観の中では安心感があるでしょうが、狭い偏った部分であるため、イノベーションは起こせません。


大企業ではなかなかなし得ない「これからの組織開発」を実践する企業がもっと増えれば、日本の中小企業の存在価値がもっと高まることは間違いないと信じているところです。

是非第一歩を踏み出すことを期待したいと思います。





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