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執筆者の写真竹内 明仁

~イノベーション本質を掘り起こす~

今月のTwitter(X)スペースでの対談。 元ユニクロのエリアマネジャーだった松山秀和さんと。


ユニクロがフリース→ヒートテック→エアリズムと次々に超ヒット商品を世に送り出した経緯をお聴きしました。

その中で、イノベーションを起こす観方・捉え方・考え方を学ぼうという主旨。


ヒートテックは、男性用ラクダ色のシャツを変えようという発想から始まったらしい。

当初は全然売れなかった。

そこに火をつけたのが主婦。


主婦には“ババシャツ”と言われるものが存在する。

「メンズがあるのに何でレディースがないのか?」

そんな声が上がり、男女相乗効果で爆発的ヒットにつながったという話はおもしろい。


エアリズムの発売はもっと後だったから、最初からメンズ&レディースを揃えていた。

サラファインとシルキードライ。

この男女別名称をエアリズムに統一し、機能アップさせたら更に売れたようだ。


実は、独自性のある商品以外にもユニクロにはいくつものイノベーションがあります。

地味ですが、個人的には以下の実績の方に注目したい。


①中国での生産 当時はまだ「安かろう、悪かろう」が普通で、安い人件費を求めて進出した企業が大多数。 ユニクロは、アパレル業界を定年退職した生産技術・生産管理のプロを大量に採用して中国での技術指導にあたる。

これが低価格高品質を実現した理由。

まだまだバリバリ働ける60歳の専門家を海外に派遣し技術指導するというのは、まさに発想の転換のイノベーション。


②素材へのこだわり 爆発的ヒットになる前のフリースには品質問題があり、クレームが多発。 これをリカバリーするために素材を変えた。

以後は繊維メーカーとの共同開発でオリジナル化を図る。 デザインより着心地や機能性を優先した結果の戦略ですね。

この分野だけは品質と技術的優位性を考え、国内生産だけで賄った。


③店の壊し屋店長と立て直し店長の配置の妙 店の活気を失くし業績を落とした店長のあとは立て直し役の店長と入れ替える。 その店は好転。変えられた店長はいいメンバーが揃っている店舗で復活のチャンスを与えられる。


逆に、そのチャンスを活かせない人は辞めていく。

仕方ないですよね。

自分が変われる機会を逃すわけですから。


そうそう、話は逸れますが、人を変えようとするからうまくいかないのは原理原則ですね。

人を変えようと思うこと自体に問題があると言わざるを得ないです。

自分が変わることからしか始まらない。

「自分が変われば周りも変わる」

これも黄金律だと思います。


さて、以上の3つは、既存のものを組み合わせて仕上げたイノベーション。 どれも発明タイプではないです。 要は視点次第というのがわかります。


今では巨大企業のユニクロも、昔は『小郡商事』という山口県の地方都市から始まったのです。

話がデカすぎるわけではなく、周りにはイノベーションの種が落ちているはず。 それらを拾ってまけるかどうかは、どこを観るかで決まるということです。





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