働く人の強みも弱みも見せ合って個人の成長に繋げる組織形態。
前々回のブログでお伝えしましたが、今回はもっと掘り下げて考えてみます。
欧米で突出した業績を上げているこの組織は“発達指向型組織”と呼ばれています。知識やスキルの習得よりも人としての成長を目指すのが基本。しかも、組織内の全員が協力し合って支えていく形態。
この考え方が欧米から出て来たことに日本人として違和感を感じます。ヤバいなぁ~って。
本来欧米は人を機能としてみる傾向が強く、歴史的にも侵略・征服する文化の持ち主。人の心に寄り添い、助け合いの風土が昔からあったのは日本。江戸時代からは身分制度の垣根を超えて勉学に勤しんだ人々も多い。本来は日本人がフォーカスする部分のような気がするのは私だけでしょうか。
それだけ、自己成長を知識やスキルのアップグレードのみと捉えていたり、自己中心的になり過ぎて人への関心が稀薄になったりする人が増えているという証かも知れません。
テクノロジーの目覚しい変化と共に表に出にくくなった“人の心”。しかし、人の心の成長が結果的に企業の業績向上に繋がる。「急がば回れ」及び「遠くをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す」。“発達指向型組織”で運営している企業はここに気がついたのだと解釈できます。
ということは、日本人が厚い扉で閉ざしている本来の日本精神を取り戻せば日本企業でも十分可能でしょう。
自分なりの結論から先に述べましたが、では「発達指向型組織とは何か」についてお伝えしますね。
コンセプトはこうです。
1.【発達への強い欲求】大人としての成長。弱さは財産、失敗はチャンス。正しい原則に従う。組織の目標と個人の能力の発達は一体。
1.は「自分の成長+他者の成長=みんなの成長」の数式が価値観。言葉を変換すれば、「会社を成長させるためには、自分を成長させ、他者の成長を支援しなくてはならない」そのためには自分の弱さや経験不足を認めることが個人と組織の成長のカギと捉えています。
「人は自分の弱みや失敗を隠したがる。その露呈を恐れて仕事を進めることが果たして価値を高める結果になるのか」という問いから来ているのでしょう。思い込みや固定観念から抜け出すにはマインドセットが必須。それには他者の力も借りないと難しい場合が多いですね。但し、不要なプライドを捨てたり、恥を忍んで勇気ある行動を取るには、それらを打ち消す仕組みが必要です。
この後、2.【発達を実現するための慣行(仕組み)】、3.は【発達を後押しするコミュニティ】と続きますが、長くなり過ぎます。続きは、次回具体例で示しますね。
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