• 竹内 明仁

「真の働き方改革とは?」

一昨日、私の師匠のおひとりである高野登さんをお招きして、「AI時代に向けた人間と仕事の在り方」について講演していただきました。主催は長野県社労士会・労務研究会です。


お話の中で、今後人間として最も大切なものをひと言で表すと、“人格”、仕事においては

“多様性”がキーポイントだと痛感しました。

ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授も著書『ワーク・シフト』の中で仮説を立てているように、未来の働き方は仕事の担い手である個人ばかりでななく、企業自体の考え方や価値観も変えていかなければ立ち行かなくなることを示しています。


未来を形づくる要因としては、

1.テクノロジーの進化に伴い、バーチャルな世界が拡大することで対面機会の減少による

  在宅勤務形態が増加する。ということは、孤独感を覚える人が増える可能性が高い。

2.新興国の台頭によるグローバル化の進展により、世界の人々がインターネットを通して

  の結びつきが更に強くなり、国境を超えて仕事をすることが当たり前の時代になる。

3.人口構造の変化と長寿化により、先進国では労働力人口が減少し国際的な労働者移住が

  活発になる。また、平均寿命の上昇により、日本ならば65歳を過ぎても働き続ける人

  が大幅に増えると予想される。(2,000年以降に生まれた先進国の人々の平均寿命は2人

  に1人が100歳を超えるとのデータもある)

4.社会の変化として、家族の在り方が今まで以上に変わり、自分自身の生き方を見直した

  り、女性の力が強くなったりする。これらの影響もあってバランス重視の生き方を選ぶ

  男性が増える。

  大企業や政府に対する不信感が強まると同時に、人々の幸福感が弱まる。

5.エネルギー・環境問題が深刻化し、石油などの化石燃料の枯渇によるエネルギー価格の

  上昇と温室効果ガス排出削減のための炭素税の導入、既に兆候が表れている気候変動の

  影響によって働く場所や住む場所が変わる可能性がある。


これらを踏まえて、仕事の世界で必要な3種類の資本を準備する必要があると説いていま

す。

1.知的資本、つまり専門分野の知識と技能を高めていくことだが、テクノロジーの進化と

  グローバル化の進展は、同じような能力を持つ大勢の人と自分を差別化することを求め

  る。しかも、変化が激しい時代の中では時代遅れになることも考えられることと職業生

  活が長くなることを含めると、専門技能を連続的に習得していくこと。

2.人間関係資本は、人的ネットワークの強さと広さの両方を意識し、頼りになる同志のよ

  うな少数の存在(ポッセ)や、自分とは違う能力を持った多様性を重視した大勢との繋

  がり(ビッグアイデア・クラウド)が必要になること。

3.情緒的資本は、自分が行う選択について深く考える能力を育み、結果的には際限ない消

  費に終始する生活を脱却し、情熱も持って何かを生み出す生活に転換すること。


仕事に必要な資本の視点は働く側からの考察になりますが、最初に記した“人格”と“多様性”を如何に磨いていくかのひと言に集約されることに繋がるのではないでしょうか。


もうひとつ、雇用を生み出す側がどのようにパラダイムシフトをしていかなければならないかについても考えてみたいと思います。


最近頻繁に「人が足りない」「どこかにいい人いないかな」といった声を耳にします。

私が活動範囲に置いている中小企業からのものです。

その言葉を発する代わりに、「今自分たちにできることは何か」を考えて行動に転換してみては如何でしょうか。

現在から未来に向けて、人の働き方へのアクションは少なくとも次の7つは可能だと思います。

1.既存の社員さんが自然な笑顔を醸し出す社風づくり

2.女性が公平・公正な立場で働ける環境づくり

3.パートさんなどの非正規の方々への成長機会の付与

4.障害がある方の採用と適材適所への職務配置

5.即戦力に囚われない採用活動

6.作業を主としない外国人労働者の採用とネットワークの構築

7.内製に拘らない、個人事業主を含む外部とのパートナーシップ


上記7つは、大企業と資本力に差がある中小企業でも取組める内容例です。

来たるAI時代(既に始まっていますが)と真の働き方改革に向けて、固定観念から抜け出してパラダイムシフトを早期実現した企業しか生き残らないと予想しています。


企業はバランスがとても大事ですね。

経営を安定させながら未来への投資をしていくためには、「緊急かつ重要なこと」と「緊急ではないが重要なこと」を見極める力が必要です。

最も注意したい点は「緊急ではあるが重要でないこと」と「緊急かつ重要なこと」を混同してしまうことだと思います。










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