既に副業や兼業など会社員でも複数のスキルを持つ時代。
今後はもっとその必要性が問われるようになると思います。
なぜか?
企業の寿命より人が働く年数の方が長くなったから。
時の変化により一つのスキルでは通用しなくなったから。
一度身につけたものであっても、それはいつか陳腐化します。
ずっと続くと考える方がズレている視点でしょう。
所謂”多角化”が個人にも求められる現代といえるのではないでしょうか。
多角化は企業の場合、以前からありました。
市場の共通性と技術・サービスの応用がそれを支えて来ましたね。
家庭を対象にした家電製品はその典型例。
技術の応用では、食物素材が化粧品や医薬品まで展開を拡げた事例でもわかります。
その波が専門家にも押し寄せて来た感があります。
企業の法務を監視して来た弁護士がマネジメントの手助けをする。
取得した中小企業診断士の資格を活かして弁護士のイメージを変える。
数字に強い社労士が経営数字に関与してキャッシュフロー経営の指導をする。
ITに強い税理士がDX導入のアドバイスをして業務の効率化を実現する。
このような例が出ています。
そう考えれば、法人も個人も”コアコンピタンス経営”(他には真似できない中核的な能力による経営)を複数の事業や専門性でアプローチする形に移行せざるを得ないのではないか。
あるいは”ニッチ戦略”という他が参入できない領域でNo.1を狙う戦略も、ターゲットが先細っては衰退に転じることになります。
ここでも、次のニッチを常に視野に入れていなければならないですね。
だから、複数のニッチ分野をもつ必要性が問われるのではないでしょうか。
リンダ・グラットン教授の著書に、『WORK SHIFT』というのがあります。
ここでは、スペシャリストとしてのスキルを連続的に持つ、つまり複数習得することが必須と述べられている。
広く浅い知識のゼネラリストは否定されている。
自分流に解釈すれば、質の高いゼネラリストになれ!と言っているように聞こえます。
ならば、関連する周辺の事柄を横断的に捉え全体最適を目指す人材が要求される。
そう、マネジメントのバランスを考えるならば、部分最適から全体調整ができるかどうかが求められることになるように思います。
もう必死に身につけた特定の資格や知識・スキルにしがみついている状況ではないことを突きつけられている。
ここが喫緊の課題のような気がします。
やはり”不易流行”でしょうか。
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