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執筆者の写真竹内 明仁

「コンサルタントの役割」

コンサルタントの役割をひと言で表すと何でしょうか。


最初に「先生」「アドバイザー」という言葉が浮かんで来るかも知れません。

「専門家と教えを請う人」という立場からすると、そうなりそうですね。


問題や課題をクライアントさんから提示され、それらに対する解決策を提示することが専門家としてのコンサルタントの役割だと定義されているケースが多いと思います。


しかし、本当にそれで問題や課題解決ができるのでしょうか。


中小企業の場合、大抵は経営トップから問題点や課題を提示され、その解決方法を求められるでしょうが、それは思い込みだと考えたことはないのかなと、最近頻繁に思います。


その理由は、コンサルタントが例え正しい解決策を提示できたとしても、それを相手が納得しない限り行動には繋がらないからです。

更に一歩踏み込んで考えてみると、経営トップから提示される問題点や課題はその組織にとって本当に正しいものでしょうか。


組織の中には経営者・幹部・現場というそれぞれの役割がある訳ですから、もし問題点や課題が同じ事柄であっても、視点が異なる意識のギャップがあって当然だと思うのです。

そのギャップを無視して経営者の言葉だけを鵜呑みにして解決策を言うのは、「どうなのかなぁ~」と疑念を抱くこの頃です。


コンサルタントは、専門家と言う自意識過剰が強い傾向にあり、どうしてもすぐに問題点や課題に対して解決策を述べることが自分の仕事と理解しているケースが殆どでしょう。


しかし、単体に見える問題点や課題の中には、組織文化や風土といった組織内に入っていかないと分からないものがあります。

自社のミッションやビジョンを語っていない経営者であっても、トップの今までの言動や考え方がそのまま会社の組織文化になっていることに気づいている方はあまりいません。


そのような状況を踏まえずにコンサルタントがすぐに解決策を提示するのは、傲慢ではないか、結果的には表面的事象を捉えただけの評論ではないかという見方が頭に浮かびます。


解決策を提示すること自体を否定している訳ではありません。

クライアントさんの認識によってコンサルティングの方法を変える必要性があることを強調したいです。


例えば、

1.解決すべき課題の解決方法をクライアントさんが正しく認識している場合は、専門家と

  して情報やサービスの提供に努める。専門家が技術的に解決できる範疇のものです。


2.問題点や課題をクライアントさんが正しく認識している場合は、医師が診断し処方箋を

  書くように問題点や課題を特定し、その解決策を提示する。


3、上記2点以外は、コンサルタントが「自分はまだ何も知らない」謙虚な姿勢により問い

  かけることで、クライアントさんの本当の問題点や課題を知る努力をする。それらを知

  った上で、クライアントさん自身が解決策を見出して実行するためのプロセスを支援す

  る。実はこのようなケースの方が圧倒的に多いと思います。


お話していただく方に対して何とかお役に立とうと思う心構えと、内容を注意深く傾聴し共感する態度をどれだけ実践するかによって、「伴走者」としての立ち位置が決まります。


時代の変化に応じて、既にピラミッド型の組織には未来がないことが判明し役割別フラットな組織に変換することが自然な流れとなりつつある中、コンサルタントという専門家も「先生」「助言者」という上から目線ではなく、パートナーとしての本質を発揮することが求められているのではないかと強く感じています。


今後は、ビジョンを共有する仲間・伴走者としての謙虚なコンサルティングを続けることに自分の確かなミッションを重ね合わせられるよう、人格を磨いていくことが最も大切なことだと自分に約束をしています。



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