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執筆者の写真竹内 明仁

「会社が存在する目的は?」

皆さん、こんにちは。

ホームページを開設して2度目のコラムとなります。


今回は、「会社が存在する目的は何か?」について考えてみたいと思います。

一般的な傾向として、会社が存在する目的は“利益を上げること”と考えている経営者の方が多いのではないでしょうか。

確かに、会社が永続していくためには利益を上げることは必要です。


しかし、利益を上げることは目的ではなく手段であって、目的(ビジョン)は別のところにあるとは考えられないでしょうか。

これは、経営トップの考え方や価値観によって決まるものなので、ジャッジメントをするつもりはありません。

前回のコラムでも記した“会社の在り方”をどの視点で見るかによって変わります。


例えば、「会社が存在する目的は社員の幸せを実現することである」と明言している会社があります。

伊那食品工業さんです。

社員さんへの還元は儲かってからと思っている経営者が多い中、先ず儲かることが先という方針で臨むのか、社員さんを幸せにする結果儲かるのかは、大きな違いがあると思います。

(ここで言う儲かるとは、適正な利益を上げることです)

そう、順番の違いです。

この順番の違いには大きなヒントが隠されていると感じています。


個人の人間関係に置き換えてみると分かりやすいかも知れません。

「あなたは、あなたの話を真摯に聴いてくれる人と、自分の主張を先にする人のどちらに好意を抱きますか?」

「あなたは、あなたに配慮した言動をする人と、自分の都合を優先する人のどちらを信頼できますか?」

社員さんの立場に立ってみると、案外分かりやすいかも知れませんね。

もし理解できないとしたら、経営者・幹部・現場従業員は役割が違うだけであって、それぞれの役割を果たすことで組織が成り立っている現実を見ていない証拠ではないでしょうか。


従来のピラミッド型で組織を捉えると、上司は部下に対して勘違いを起こしやすい。

立場が上だとか、権限が違うとか、入社年数が長いとか、一方的な態度で時には部下の人格に触れるような発言をしてしまうケースもあります。

この辺りの姿勢・対応が、組織が集団で終わるのか、チームに昇華していくのかの分岐点になります。

そう、「まず理解に徹し、そして理解される」という順番の原則は存在します。

そして、人件費をコストとみなすのか、重要な投資と捉えるのか…。


また、2020年度から施行される予定の働き方改革への対策も、中小企業にとっては仕組み化で何とかしようとしても立ち行かないだろうと想像できます。

理由は、生産性が向上しない限り、国の厳しい規制をクリアできないと考えられるからです。

では、生産性が向上するにはどうするか?


ポイントは、目に見えない資産に着目するかどうかだと思います。

テクノロジーを活用した生産や業務改善といった目に見える改革も必要ですが、限界があります。

むしろ、その会社で働く社員さんのモチベーションアップや主体性の発揮、チームとしての機能強化のような目に見えない資産により焦点を当てた施策を講じた方が、結果的に生産性の向上に繋がる気がしてなりません。

時間を要することだけに、この点に気づいて極力早く取組みを始めた会社が“本質的な働き方改革”の実現に向かって進めるのだと思います。

さて、御社の「あるがままの状態が記された地図」(現実)と「あるべき状態が記された地図」(価値観・目的)は合致しているでしょうか。









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