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  • 執筆者の写真竹内 明仁

「今後の事業戦略の視点」

新年明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。


いよいよ年号が変わる2019年が始まりましたね。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控え、今年からは今まで以上に様々なことが大きく変化する“激動の年”を迎えると予想しています。


「何が激動となるのか?」

いろいろ考えられるのですが、先ずは「テクノロジーの進化」でしょうか。

これからは、今までの5年、10年、否数十年分の変化を毎年感じるかも知れません。

定型業務のIT化、人手に代わるロボット化、医療業界の進歩、TTPや外国人流入増加によるグローバル化など、想像を超えた出来事が発生するものと思われます。


そんな時代の流れの中で、日本の中小企業はどんな方向性を持ったら良いのかを考えてみました。

キーワードは『もの(こと)づくり』です。

これは、原点回帰して日本人の伝統的な長所を活かそうという観点からです。

そこで、このことに関して“きめ細やかな配慮”とこれに関連する“チームワーク”の両面から、目に見えないものが目に見えるものを創り出す流れを検証します。


日本のものづくりは丁寧で歩留まり率が高く、細部に渡って精度が高いのが特徴ですね。

しかし、大企業の下請け的な中小企業が多い。単純に考えて勿体ないと思うのです。

自社の技術が大企業に採用されているということは技術的信用が高い証拠ですから、その技術を徹底的に掘り下げたり、自社製品の開発に活かしたらいいのになぁと感じます。

高い技術力を誇るには、それぞれの担当部門がきめ細やかな配慮をしないと達成できない訳ですが、部分最適ではなく全体最適のためにはチームワークが必要です。

更にチームワークを掘り下げていくと、「向こう三軒両隣」の精神を思い起こすのは私だけでしょうか。この配慮行動は日本人特有の美学だと思いませんか?


技術力の深掘りやチームワーク強化への投資は製品(商品)の国内ブランディングに繋がるだけでなく、グローバルビジネスや人材採用等にも拡がります。卓越した技術力があれば町工場にもNASAから注文が来る程ネットワークが構築されている時代ですし、チームワークが良いと活気がある社風にもなりますね。経験から言えば、活気がある会社は生産性が高いことに例外はないようです。従って、チャンスは大いにある筈です。

但し、これは経営トップの“勇気ある意思決定”がないとできないことでもあります。そして、これは目に見えない。

ここで言う投資とは、投資の回収性を予測する時に使う「投資利益率法」「回収期間法」「正味現在価値法」などでは捉えられない収益関連以外の目に見えない部分があることで余計決断が難しいかも知れませんが、重要事項です。


また、チームワークを育むためには、当事者がそれぞれの役割を自覚し主体的に行動する仕組みが必要です。そのためには皆で共有するミッション・ビジョンがないとチームにならない。。。これもまた目に見えないものです。

目に見える結果を出すためには目に見えないものを大切にする。逆論は、目に見えるものだけに固執して目に見える結果を出そうとすることになります。無理がありますね。


例え話ですが、最近私の地元の長野市にも美味しいイタリアンレストランが矢継ぎ早に何軒も開店しました。

実際にその中の数軒に行ってみると、確かに料理は結構美味しいし飲み物も満足できる。

“設え”もお洒落。但し、“装い”と“振る舞い”は残念な印象です。特に“振る舞い”に関しては次元が違い、ペッパー君の方がストレスがないと感じてしまうのです。

これは、料理人とサービス係やマネージャーの価値観がバラバラだから起こる現象だと思うのです。製造業で言えば開発、製造、営業が各立場からしか物事を見ていないために発生する不協和音と同じです。


まとめると、激動の時代に突入しているからこそ原点回帰し、“不易流行”を見詰めてみる。すると、日本人が以前から持っている資産である『もの(こと)づくり』はきめ細やかな配慮によるこだわりとチームワークから成り立つ。だからここを磨く。この強みを活かして打って出る。

これが提案したい戦略の一つです。







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